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   不動産売却に関する重要な判例 NO.14

遺言と登記
   裁判年月日 平成14年06月10日 




   裁判所が判断した事項

    「相続させる」趣旨の遺言による不動産の取得と登記



   判決の内容

    「相続させる」趣旨の遺言による不動産の権利の取得については,登記なくして
    第三者に対抗することができる。





   主文

    本件上告を棄却する。
    上告費用は上告人らの負担とする。



   判決の理由

   1 原審の認定によれば,本件の経過は,次のとおりである。被上告人は,夫であ
    る被相続人Dがした,原判決添付物件目録記載の不動産の権利一切を被上告人に
    相続させる旨の遺言によって,上記不動産ないしその共有持分権を取得した。法
    定相続人の1人であるEの債権者である上告人らは,Eに代位してEが法定相続
    分により上記不動産及び共有持分権を相続した旨の登記を経由した上,Eの持分
    に対する仮差押え及び強制競売を申し立て,これに対する仮差押え及び差押えが
    されたところ,被上告人は,この仮差押えの執行及び強制執行の排除を求めて第
    三者異議訴訟を提起した。

   2 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は,特段の事情のない
    限り何らの行為を要せずに,被相続人の死亡の時に直ちに当該遺産が当該相続人
    に相続により承継される(最高裁平成元年(オ)第174号同3年4月19日第
    二小法廷判決・民集45巻4号477頁参照)。このように,「相続させる」趣
    旨の遺言による権利の移転は,法定相続分又は指定相続分の相続の場合と本質に
    おいて異なるところはない。そして,法定相続分又は指定相続分の相続による不
    動産の権利の取得については,登記なくしてその権利を第三者に対抗することが
    できる(最高裁昭和35年(オ)第1197号同38年2月22日第二小法廷判
    決・民集17巻1号235頁,最高裁平成元年(オ)第714号同5年7月19
    日第二小法廷判決・裁判集民事169号243頁参照)。したがって,本件にお
    いて,被上告人は,本件遺言によって取得した不動産又は共有持分権を,登記な
    くして上告人らに対抗することができる。

   3 以上と同旨の原審の判断は,正当として是認することができる。所論引用の判
    例は,事案を異にし本件に適切でない。論旨は,独自の見解に立って原判決を論
    難するものにすぎず,採用することができない。

     よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。





   遺言と登記(参考法令)

   民法177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件) 
   1 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百
     二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなけ
     れば、第三者に対抗することができない。 


   民法908条(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止) 
   1 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを
     第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の
     分割を禁ずることができる。 


   民法985条(遺言の効力の発生時期) 
   1 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。 
   2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就した
     ときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。 
















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