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   不動産売却に関する重要な判例 NO.15

時効完成前の譲渡
   裁判年月日 昭和46年11月05日 




   裁判所が判断した事項

    不動産の二重売買と所有権の取得時効の起算点



   判決の内容

    不動産が二重に売買された場合において、買主甲がその引渡を受けたが、登記欠
   缺のため、その所有権の取得をもつて、のちに所有権取得登記を経由した買主乙に
   対抗することができないときは、甲の所有権の取得時効は、その占有を取得した時
   から起算すべきものである。





   主文

     原判決中上告人の敗訴部分を破棄する。
     右破棄部分につき本件を大阪高等裁判所に差し戻す。


   判決の理由

     原判決の適法に確定した事実関係によれば、上告人は昭和二七年一月二六日D
    の代理人Eから本件各土地を買い受け、同年二月六日その引渡を受け、爾来これ
    を占有してきたが、いまだ登記を経由していなかつたものであるところ、FがD
    の死亡後である昭和三三年一二月一七日その相続人であるGおよびHから本件各
    土地を買い受け、同月二七日その旨の所有権移転登記を経由し、その後、昭和三
    四年六月頃Iに対し買掛代金債務の代物弁済としてその所有権を譲渡し、被上告
    人は同月九日Iから本件各土地を買い受け、中間省略により同月一〇日Fから直
    接その所有権移転登記を受けたというのである。

     右事実関係のもとにおいて、上告人は本件各土地の所有権を時効取得したと主
    張し、原審はこれを排斥したが、その理由として判示するところは、「同一不動
    産についていわゆる二重売買がなされ、右不動産所有権を取得するとともにその
    引渡しをも受けてこれを永年占有する第一の買主が所有権移転登記を経由しない
    うちに、第二の買主が所有権移転登記を経由した場合における第一の買主の取得
    時効の起算点は、自己の占有権取得のときではなく、第二の買主の所有権取得登
    記のときと解するのが相当である。けだし、右第二の買主は第二の買主が所有権
    移転登記を経由したときから所有権取得を第一の買主に対抗することができ、第
    一の買主はそのときから実質的に所有権を喪失するのであるから、第一の買主も
    第二の買主も、ともに所有権移転登記を経由しない間は、不動産を占有する第一
    の買主は自己の物を占有するものであつて、取得時効の問題を生ずる余地がなく
    したがつて、不動産を占有する第一の買主が時効取得による所有権を主張する場
    合の時効の起算点は、第二の買主が所有権移転登記をなした時と解すべきである
    からである。」との見解のもとに、上告人はFが所有権移転登記をした昭和三三
    年一二月二七日から民法一六二条一項、二項の定める時効期間を経過したときに
    本件各土地の所有権を時効取得するものというべきであつて、上告人の本件各土
    地に対する占有は、被上告人が所有権移転登記をした昭和三四年六月一〇日から
    はもちろんのこと、Fが所有権移転登記をした昭和三三年一二月二七日からでも
    民法一六二条一項、二項の定める時効期間を経過していないこと明らかであるか
    ら、上告人が本件各土地の所有権を時効取得したとの上告人の主張は理由がない
    というのである。

     しかし、不動産の売買がなされた場合、特段の意思表示がないかぎり、不動産
    の所有権は当事者間においてはただちに買主に移転するが、その登記がなされな
    い間は、登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有する第三者に対する関係に
    おいては、売主は所有権を失うものではなく、反面、買主も所有権を取得するも
    のではない。当該不動産が売主から第二の買主に二重に売却され、第二の買主に
    対し所有権移転登記がなされたときは、第二の買主は登記の欠缺を主張するにつ
    き正当の利益を有する第三者であることはいうまでもないことであるから、登記
    の時に第二の買主において完全に所有権を取得するわけであるが、その所有権は
    売主から第二の買主に直接移転するのであり、売主から一旦第一の買主に移転し
    第一の買主から第二の買主に移転するものではなく、第一の買主は当初から全く
    所有権を取得しなかつたことになるのである。したがつて、第一の買主がその買
    受後不動産の占有を取得し、その時から民法一六二条に定める時効期間を経過し
    たときは、同法条により当該不動産を時効によつて取得しうるものと解するのが
    相当である(最高裁判所昭和四〇年(オ)第一二六五号、昭和四二年七月二一日
    第二小法廷判決、民集二一巻六号一六四三頁参照)。

     してみれば、上告人の本件各土地に対する取得時効については、上告人がこれ
    を買い受けその占有を取得した時から起算すべきものというべきであり、二重売
    買の問題のまだ起きていなかつた当時に取得した上告人の本件各土地に対する占
    有は、特段の事情の認められない以上、所有の意思をもつて、善意で始められた
    ものと推定すべく、無過失であるかぎり、時効中断の事由がなければ、前記説示
    に照らし、上告人は、その占有を始めた昭和二七年二月六日から一〇年の経過を
    もつて本件各土地の所有権を時効によつて取得したものといわなければならない
    (なお、時効完成当時の本件不動産の所有者である被上告人は物権変動の当事者
    であるから、上告人は被上告人に対しその登記なくして本件不動産の時効取得を
    対抗することができるこというまでもない。)。これと異なる見解のもとに、本
    件取得時効の起算日はFが所有権移転登記をした昭和三三年一二月二七日とすべ
    きであるとして、上告人の時効取得の主張を排斥した原審の判断は、民法一六二
    条の解釈適用を誤つたものであり、これが判決に影響を及ぼすこと明らかである。
    原判決は破棄を免れない。

     よつて、本件について更に右過失の有無、時効中断事由の存否等について審理
    させるため、民訴法四〇七条一項により、原判決中上告人の敗訴部分を破棄し、
    右部分につき本件を原審に差し戻すこととし、裁判官全員の一致で、主文のとお
    り判決する。





   時効完成前の譲渡(参考法令)

   民法162条(所有権の取得時効) 
   1 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者
     は、その所有権を取得する。 
   2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は
     その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有
     権を取得する。 
















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