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   不動産売却に関する重要な判例 NO.26

他人の不動産の売買
   裁判年月日 昭和41年09月08日 




   裁判所が判断した事項

    他人の権利を売買の目的とした場合の売主の担保責任と債務不履行による責任。



   判決の内容

    他人の権利を目的とする売買の売主が、その責に帰すべき事由によつて、該権利
   を取得してこれを買主に移転することができない場合には、買主は、売主に対し、
   民法第五六一条但書の適用上、担保責任としての損害賠償の請求ができないときで
   も、なお債務不履行一般の規定に従つて損害賠償の請求をすることができるものと
   解するのが相当である。





   主文

    原判決を破棄する。
    本件を東京高等裁判所に差し戻す。



   判決の理由

     原判決の確定したところによると、上告人と被上告人との本件売買契約は、第
    三者たる訴外D酒造株式会社の所有に属する本件土地を目的とするものであつた
    ところ、原審認定の事情によつて売主たる被上告人が右所有権を取得してこれを
    買主たる上告人に移転することができなくなつたため履行不能に終つたというの
    である。

     そして、本件売買契約の当時すでに買主たる上告人が右所有権の売主に属しな
    いことを知つていたから、上告人が民法五六一条に基づいて本件売買契約を解除
    しても、同条但書の適用上、売主の担保責任としての損害賠償請求を被上告人に
    することはできないとした原審の判断は正当である。

     しかし、他人の権利を売買の目的とした場合において、売主がその権利を取得
    してこれを買主に移転する義務の履行不能を生じたときにあつて、その履行不能
    が売主の責に帰すべき事由によるものであれば、買主は、売主の担保責任に関す
    る民法五六一条の規定にかかわらず、なお債務不履行一般の規定(民法五四三条
    四一五条)に従つて、契約を解除し損害賠償の請求をすることができるものと解
    するのを相当とするところ、上告人の本訴請求は、前示履行不能が売主たる被上
    告人の責に帰すべき事由によるものであるとして、同人に対し債務不履行による
    損害賠償の請求をもしていることがその主張上明らかである。しかして、原審認
    定判示の事実関係によれば、前示履行不能は被上告人の故意または過失によつて
    生じたものと認める余地が十分にあつても、未だもつて取引の通念上不可抗力に
    よるものとは解し難いから、右履行不能が被上告人の責に帰すべき事由によるも
    のとはみられないとした原判決には、審理不尽、理由不備の違法があるといわね
    ばならない。

     従つて、この点を指摘する論旨は理由があり、その余の論旨について判断する
    までもなく原判決は破棄を免れず、本件を原審に差し戻すのを相当とする。

     よつて、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決
    する。





   他人の不動産の売買(参考法令)

   民法561条(他人の権利の売買における売主の担保責任) 
   1 前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転すること
     ができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合におい
     て、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損
     害賠償の請求をすることができない。 


   民法415条(債務不履行による損害賠償) 
   1 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによっ
     て生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由に
     よって履行をすることができなくなったときも、同様とする。 
















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