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   不動産売却に関する重要な判例 NO.27

面積不足と代金減額
   裁判年月日 平成13年11月22日 




   裁判所が判断した事項

    土地の売買がいわゆる数量指示売買に当たるとされた事例



   判決の内容

    市街化区域内に所在する50坪余りの更地の売買契約において,契約書には目的
   物件の表示として公簿面積のみが記載されていたとしても,それが住宅用の敷地と
   して売買されたものであり,代金額については,坪単価に面積を乗じる方法により
   算定することを前提にして,売主が提示した坪単価の額からの値下げの折衝を経て
   合意が形成され,当事者双方とも土地の実測面積が公簿面積に等しいとの認識を有
   しており,契約書における公簿面積の記載も実測面積が公簿面積と等しいか少なく
   ともそれを下回らないという趣旨でされたものであるなど判示の事情の下において
   は,当該土地が公簿面積どおりの実測面積を有することが売主によって表示され,
   実測面積を基礎として代金額が定められたものということができ,その売買契約は,
   いわゆる数量指示売買に当たる。





   主文

    本件上告を棄却する。
    上告費用は上告人の負担とする。



   判決の理由

   1 本件は,上告人から土地を購入した被上告人らが,同土地の実測面積が公簿面
    積に満たなかったとして,数量指示売買における売主の担保責任(民法565条
    563条1項)に基づき売買代金の減額請求をし,支払った代金の一部の返還を
    求める事件である。原審が適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。

   (1)本件土地は,愛知県岡崎市内の市街化区域内に所在する隣接した2筆の土地
    であり,地目は畑であるが,現況は更地である。

   (2)宅地建物取引業者である株式会社D住宅は,平成3年8月20日ころ,被上
    告人らを訪ね,上告人所有の本件土地の売買を媒介したい旨申し入れた。D住宅
    が持参した本件土地の広告には,「公簿177u(53.54坪),価格364
    0万円,3.3u単価68万円」との記載があった。
   (3)被上告人らが平成3年8月22日ころD住宅を通じて坪単価が安くならない
    か上告人と折衝したところ,上告人は,同月24日ころ,坪単価65万円に値下
    げする旨回答した。

   (4)そこで,被上告人らは,本件土地をその価格で購入しようと考え,平成3年
    8月27日ころ,D住宅と本件土地購入について専属専任媒介契約を締結した。
    その契約書には,目的物件の表示として,本件土地の実測面積が177u,公簿
    面積も同様である旨の記載がされていた。

   (5)上告人も,本件土地を上記価格で売却しようと考え,そのころ,D住宅と本
    件土地売却について専属専任媒介契約を締結した。もっとも,その契約書には,
    被上告人らとD住宅との間の契約書と異なり,目的物件の表示として,本件土地
    の公簿面積が177uである旨の記載はされていたが,実測面積についての記載
    はなかった。

   (6)被上告人らが平成3年9月4日ころD住宅に対し本件土地の実測図面を要求
    したところ,D住宅は,本件土地の面積が177uである旨が記載された公図の
    写しを被上告人らに交付した。被上告人らは,この図面で本件土地の実測面積が
    177uあることが確認されたと考え,それ以上に実測図面を要求しなかった。

   (7)D住宅は,そのころ,上告人と被上告人らに対し,重要事項説明書を交付し
    た。同説明書には,本件土地の地積として,「登記簿177u(53.54坪)」
    との記載はあったが,実測面積の欄は空欄であった。また,同説明書の建築基準
    法に基づく制限の概要の欄には,本件土地の建築面積の限度として,「敷地面積
    177u×60%=106.2u」,本件土地の延べ建築面積の限度として,
    「敷地面積177u×200%=354u」との各記載があった。

   (8)平成3年10月6日ころ,D住宅の作成した案文に基づき,本件売買契約の
    契約書が作成され,その際,D住宅は,上告人と被上告人らに同契約書の条項を
    読み聞かせた。同契約書には,売買物件の表示として,「末尾記載の通りとしす
    べて面積は公簿による。」との条項(以下「本件条項」という。)があるが,D
    住宅からはその文言の意味の説明はなく,上告人と被上告人らとの間でその意味
    が確認されたこともなかった。
     被上告人らは同月16日までに売買代金全額を支払った。

   (9)被上告人らは,住居の敷地とする目的で本件土地を購入したものであり,平
    成9年秋ころ,住居を新築するために土地家屋調査士に依頼して本件土地を測量
    したところ,その実測面積が167.79uであって,本件売買契約書に表示さ
    れた面積177uに9.21u不足することが判明した。

   (10)被上告人らは,平成10年2月20日,上告人に対し売買代金の減額請求
    をした。

   2 原審は,上記事実関係に基づき,本件売買契約書における本件土地の公簿面積
    の記載は,実測面積が少なくとも公簿面積と同じだけあるという趣旨でされたも
    のであり,売買代金の額は本件土地の実測面積が公簿面積どおりにあるとして決
    定されたものと解釈し,本件売買契約はいわゆる数量指示売買に当たると判断し
    て,被上告人らの請求を一部認容した。
     論旨は,要するに,上記の原審の契約解釈及び判断は,経験則に違反し,民法
    565条の解釈を誤ったものであるというのである。

   3 いわゆる数量指示売買とは,当事者において目的物の実際に有する数量を確保
    するため,その一定の面積,容積,重量,員数又は尺度があることを売主が契約
    において表示し,かつ,この数量を基礎として代金額が定められた売買をいう
    (最高裁昭和41年(オ)第770号同43年8月20日第三小法廷判決・民集
    22巻8号1692頁参照)。
     前記事実関係によれば,上告人と被上告人らは,本件売買契約の代金額を坪単
    価に面積を乗じる方法により算定することを前提にして,その坪単価について折
    衝し,代金額の合意に至ったというのである。そして,本件土地は,市街化区域
    内にあり,小規模住宅用の敷地として売買されたものであって,面積は50坪余
    りにすぎないというのであるから,山林や原野など広大な土地の売買の場合とは
    異なり,このような零細宅地における前記のような開差5%を超える実測面積と
    公簿面積との食違いは,売買契約の当事者にとって通常無視し得ないものという
    べきである上,被上告人らは,D住宅に対して本件土地の実測図面を要求するな
    どしたというのであるから,本件土地の実測面積に関心を持っていたものという
    べきであり,記録によれば,本件売買契約当時,当事者双方とも,本件土地の実
    測面積が公簿面積に等しいとの認識を有していたことがうかがわれるところであ
    る。
     もとより,土地の売買契約において,実測面積を基礎とせずに代金額が決定さ
    れる場合でも,代金額算定の便宜上,坪単価に面積(公簿面積)を乗じる方法が
    採られることもあり得るが,本件売買契約においては,上告人と被上告人らが,
    本件土地の実測面積を離れ,それ以外の要素に着目して本件土地を評価し,代金
    額の決定に至ったと認めるべき事情はうかがわれないのである。なお,本件条項
    自体は,実測面積と公簿面積とが食い違う場合に代金額の減額を要しないという
    趣旨を定めたものとはいえないし,原審の認定したところによれば,本件条項が
    そのような意味を有する旨の説明がD住宅からされたことなどもないというので
    あるから,本件条項が存在することから直ちに実測面積に増減があっても公簿面
    積を基礎として本件売買契約の代金額が決定されたこととする趣旨であったと断
    定することはできないものというべきである。
     以上の点にかんがみると,本件売買契約書において登記簿の記載に基づいて本
    件土地の面積が記載されたのは実測面積が公簿面積と等しいか少なくともそれを
    下回らないという趣旨によるものであり,本件売買契約の代金額は本件土地の実
    測面積を基礎として決定されたものであるとした原審の契約解釈は,経験則に違
    反するものとはいえないというべきである。

     そうすると,本件売買契約においては,本件土地が公簿面積どおりの実測面積
    を有することが表示され,実測面積を基礎として代金額が定められたものである
    から,本件売買契約は,数量指示売買に当たり,被上告人らは,上告人に対し,
    民法565条,563条1項に基づいて,代金減額請求をすることができるもの
    というべきである。

     これと同旨の原審の判断は,正当として是認することができる。この判断は,
    所論引用の判例に抵触するものではない。論旨は,採用することができない。
     よって,裁判官町田顯の反対意見があるほか,裁判官全員一致の意見で,主文
    のとおり判決する。





   面積不足と代金減額(参考法令)

   民法565条(数量の不足又は物の一部滅失の場合における売主の担保責任) 
   1 前二条の規定は、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部
     が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知ら
     なかったときについて準用する。 
















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