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不動産売却に関する重要な判例 NO.42

農地の売買
   裁判年月日 昭和42年10月27日 




   裁判所が判断した事項

    農地を目的とする売買契約締結後に目的物が買主の責に帰すべからざる事情によ
   つて農地でなくなつた場合の売買契約の効力



   判決の内容

    農地を目的とする売買契約締結後に、売主が目的物上に土盛りをし、その上に建
   物が建築され、そのため農地が恒久的に宅地となつた等買主の責に帰すべからざる
   事情により農地でなくなつた場合には、右売買契約は、知事の許可なし完全に効力
   を生ずると解するのが相当である。





   主文

    本件上告を棄却する。
    上告費用は上告人の負担とする。



   判決の理由

     知事の許可を得ることを条件として農地の売買契約をしたとしても、いわゆる
    停止条件を付したものということができないことは当裁判所の判例とするところ
    であり(最高裁判所昭和三二年(ネ)第九二三号、同三六年五月二六日第二小法
    廷判決、民集一五巻五号一四〇四頁)、売主が農地を宅地化した場合でも、知事
    の許可につき民法一三〇条を類推適用し、買主は条件を成就したものとみなすこ
    とはできないと解するを相当とする。

     しかしながら、農地法の対象とする農地が現況主義に基礎をおくこともまた当
    裁判所の判例とするところであり(最高裁判所昭和三四年(オ)第四二号、同三
    五年三月一七日第一小法廷判決、民集一四巻三号四六一頁)、上告人が本件売買
    後に本件土地に土盛りをし、地上には建物が建築され、そのため本件土地が恒久
    的に宅地となつていることは原審が適法に確定したところである。そうとすれば
    本件土地は農地の売買契約の締結後に買主の責に帰すべからざる事情により農地
    でなくなり、もはや農地法五条の知事の許可の対象から外されたものというべき
    であり、本件売買契約の趣旨からは、このような事情のもとにおいては、知事の
    許可なしに売買は完全に効力を生ずるものと解するを相当とし、そして、被上告
    人の本訴はこの趣旨の請求をも含むと解される。したがつて、原判決はその理由
    において一部あやまつているが、結論において相当である。その他原判決には所
    論の違法はない。論旨は採用できない。

     同第三点について。
     所論の点についての原審の認定判断には所論の違法はない。論旨は採用できない。
    よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
    とおり判決する。





   農地の売買(参考法令)

   農地法2条(定義) 
   1 この法律で「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいい、「採草放牧地」
     とは、農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜
     の放牧の目的に供されるものをいう。 
    (2項以下省略)


   農地法5条(農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限) 
   1 農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農
     地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地につい
     て第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、政令で定
     めるところにより、当事者が都道府県知事の許可(これらの権利を取得する者
     が同一の事業の目的に供するため四ヘクタールを超える農地又はその農地と併
     せて採草放牧地について権利を取得する場合(地域整備法の定めるところに従
     つてこれらの権利を取得する場合で政令で定める要件に該当するものを除く。
     第四項において同じ。)には、農林水産大臣の許可)を受けなければならない。
     ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 
     (以下省略)
















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